幼き日 漬けた梅の実 盗み食べ

今週のお題「575」

 

こどもの頃、実家の父は毎年梅雨の頃になると必ず

梅酒と梅干を作るために青梅をたくさん買ってきていた。

 

梅酒は青梅の状態で作るが、梅干しは梅が色付いてから作る。

 

色付いた梅は甘い香りを放つので、生の梅は毒だと聞いていたが

いつもつい口に運びたくなったものだった。

 

子ども心に、梅酒が出来上がるのはとても楽しみだった。

 梅酒に浮かぶ梅を食べるのが楽しみだったのだ。

 

実に砂糖をまぶして食べると、梅の香りと甘みが、

アルコールの効果もあるのか、ほわっと口の中に充満する。

その感じが好きだった。

そして、梅の実の少し硬い歯ごたえも好きだった。

 

親に見つかると止められるので、こっそり食べた。

きっと親は気付いていたけど、

少しだけならと見過ごしてくれていたのかもしれない。

 

梅酒が出来てから、梅の実を食べるので、

その時期はもう冬近くかもしれないが、 

店頭に並ぶ梅を見ると思い出す夏の思い出。